県内の塾で行う中3の夏期講習は、ほとんどが9月の学調対策です。
ではどんな対策をするのかというと、中学1年生からの主要5科目の復習。
県学調は、出題パターンが決まっているので、過去問を参考に復習を行う塾もありますし、各教科の学習項目ごとに復習を行う塾もあります。
勉強が得意な子どもなら
上のような問題集を利用して自学で勉強してもいいのですが、それができる子は多くはありません。
家にいても何を勉強したらいいか分からない、だったら夏期講習に行こうということになるのですが、言うまでもなく、夏期講習を受ければ県学調でいい得点が必ずとれるわけではありません。
受講すれば自動的に成績が上がるのなら、全体の成績が上がって、学年順位はそのままという子泊まるわけで、よく折り込み広告で見る「学年順位○○アップ」ということはないわけです。
勉強ですから、習ったことをできるようにしなければいけません。
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それぞれの塾の夏期講習で、教えたことをできるようにするために、どのような授業を行っているか知ってから夏期講習を受ければいいんです。
●やる気と睡眠時間
「夏期講習で1番大切なのは復習」と書き始めたかったのですが、今年はちょっと違います。
十分な睡眠時間を取ること。
十分と言っても、9時間、10時間寝るということではありません。
毎日規則正しく、7時間程度の睡眠時間を取るということを生徒に言っています。
それはなぜかというと、最近話題になっている「睡眠負債」の状態では、せっかく勉強してもその勉強が無駄になってしまうからです。
睡眠負債は、単なる睡眠不足とは違います。
毎日の睡眠不足が重なって、脳や体の機能が衰えて病気を引き起こすものです。
単なる睡眠不足なら自覚症状があるのでいいのですが、睡眠負債はほとんど自覚症状がありません。
睡眠は6時間では足りないそうです。
私は生徒に、「最低6時間は寝なさい。6時間寝ないと、学習したことが脳に定着しません。」
と言っていました。
今はこのを訂正しています。
現在考えられている最適な睡眠時間は、6時間半から7時間半だそうです。
最適な睡眠時間には個人差がありますが、でも最低6時間半の睡眠はとってほしいですね。
睡眠負債を抱えている人は、昼間に必ず眠気が襲ってくることが分かっています。
※食事の後の眠気は除きます。
また慢性的な睡眠不足によって、脳内ホルモンのコルチゾールが分泌されるので、記憶を司る海馬の働きを阻害します。
以前にも書きましたが、コルチゾールは海馬の細胞を殺してしまう働きがあるホルモンです。
こんな状態で勉強しても、頭はよくなりません。
ですから、夏期講習以前の問題として「しっかりした生活のリズムを身につける」ことがたいせつ、その後で勉強の方法について子どもたちを指導する。
今回は、夏期講習の内容でなく、それ以前の問題について触れてみました。
●睡眠負債にならない方法
大切なことを書き忘れました。
睡眠負債にならない方法です。
一番簡単な方法は、朝起きたらすぐに日光を浴びることです。
朝起きて日光を浴びると14~16時間後にメラトニンという脳内ホルモンがたまってきて、自然に眠くなります。
起きてから16時間後に眠くなれば、およそ8時間の睡眠が確保できるというわけです。